適材適所の現実

江波戸哲夫

生まれたばかりの企業には、
机上では正しそうな適材適所をやる
人間的・時間的ゆとりなぞ無い。
とにかく人を集めて仕事に当たらせて
スタートしなくてはいけない。

それでなんとか創業期を乗り切り、
その間に合わせの人事の中から、
営業の神様が生まれたり、
世界的研究者が出現する。

つまり、人事の本道は適材適所ではなく、
仕事が人を作る、なのである。

それが分かっているから、
ほとんどの企業では、適材適所ではなく、
組織の都合で人事を行っているのだが、
この言葉だけは、なぜか大きな顔をしている。

建前としては立派な言葉であるが、
この言葉のおかげで
「僕は自分に適していない仕事をやらされたから
本当の力が出せないんだ。」と
自分の怠惰の言い訳をする
若いサラリーマンもでてくるだろう。

仕事に作られるためには老いも若きも
適材適所に惑わされずに
たまたま縁を持った仕事に全力投球するほかにない。

エンジンオイルのOEMも、これが天職と思い
一所懸命にやりましょう。

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